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なかなか手を出さない子

古山です。

学校教育を離れて、子どもの興味・やる気が向かうところを中心の教育を始めた
場合、いつもやりたいことを持っている子の場合は、じつに爽快です。

ところが実際にそうとは限りません。

やってみればおもしろいことはいくらでもあるのに、なかなか新しいことに手を
出さない。いつも同じことをしている。そういう子にたくさん出会います。

そういうときは、だいたい、子どもが失敗を怖がっているものです。

失敗は、たとえ大人に何も言われなくても、つらいものです。そんな目に遭いた
くない。そこで、失敗の憂き目を見ないための最善の戦略は、最初から手を出さ
ないことなのです。

甥とホームスクールをしていました。

自然のおもしろさとか、芸術のおもしろいさとか、麻雀のおもしろさとか、伝え
たいことはかぎりなくありました。ところが、ちょっと勧めたくらいで、手を出
してもらえるものではありません。

本人は、スケボーとコンピューターゲームばかり。
それはそれで充実していたので、それなりに安心して見ていることはできたので
すが、それでも「もっといろんなこと、あるのに」の思いはありました。

でも、ちょっと何かを勧めると、予防線を張って「やりたくない」

それを押していいのか、まずいのか。
わからないものです。

子供たちの、「失敗したくないから手を出さない」は、たいへん広く見られます。
学校での学業不振の最大の原因はこれではないかと思います。

ホームスクールでもあります。

どうしたらいいかと考えても、あまりにもいろんな個性と場合場合があるのだか
ら、すっきりした解決方法などない、というのが答えでしょう。

でも最近、たぶんこれが答えだというものがあります。

子供が尻込みするとき、一つ一つがその子自身のドラマであって、子供ごとに場
面ごとに、「手を出していい思いをできるか、嫌な目に遭うか」のドラマを生き
抜いている。そのドラマを感じ取ることそのものの中に、優しさがこもっている
ものだと。その優しさが、エネルギーを流れさせるのだと。

私自身が尻込みしやすい子でした。人に何か差し出されると、おもしろそうであ
っても、反射的に手を引っ込めるようなところがありました。

そういう私にニコリとして、背中を軽くさすってくれるような人に出会えたら、
何かが変わっただろうと思うのです。

大人になって、子供に何かを差し出す立場になって、受け取ってもらえないと、
「どうしてだろう」「どうしたらいいのだろう」ばかり考えていました。
でも、それは私の視点でしかないのでしょう。

いまは、子供に何かを差し出して手を引っ込められたとき、ときどきは、その子
の気持ちを包み込むことができているように思います。

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古山明夫

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