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遊びを中心とした教育

古山です。

子どもの遊びってなんだろう。絶対にただの気晴らしではない、すごく深い意味
を持っている。

そういう問題意識を持って、子どもたちと付き合ってきました。

最近、子どもの遊びというのは、人類のご先祖様たちが狩猟採集の生活をしてい
たときにできた自己教育システムがそのまま遺伝的に残っているのだろう、と気
が付いたら、子どもの遊びのことが「ああ、そういうことか」と見えてきます。

子どもが面白がってやることは、もしわれわれが狩猟採集の生活をしているとし
たら、直接に役立つことばかりです。棒を振り回す、何かを投げる、動いている
ものを追いかけまわす、よく観察する、いろんなものの性質を知る、対象の動き
を予測する、コレクションを作る、知識を蓄える、道具を使う、仕掛けを作る、
住まいを作る、などなど。

自発的にそういう能力を鍛えるのが嬉しいようにできています。

それを押し殺して、小さいときから教室で静かに座っているように訓練するのが
教育だなんて、そうとうに無理があります。

そういう無理な教育ができた経過はあります。文字を読み書きできて、書物を読
みこなし、自分でも文章を作れるようになるには、膨大な訓練を必要としたので
す。その時代には、文字を読める人は特別でした。

ところが、今の時代は、生活の中が文字だらけです。子どもたちは、絵本や漫画
を読みたくて、あるいはゲームをしたくて、文字を覚えてしまいます。書籍、雑
誌、インターネットで、いくらでも情報が手に入ります。

いま、学校の役割は、根本的に変わっています。
しかし、新しい教育は、まだ現れていません。でも、新しい教育を作るのは難し
くないと思います。それは、子どもの遊びは信用することができるからです。子
どもは遊びを通じて、身体的能力を伸ばし、知的能力を身に付け、社会性を身に
付けます。

子どもの遊びを中心にして、そこにちょっと知識やスキルを補う、そんな教育が
これから発展してくると思います。

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古山明夫

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