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知性の起源

古山です。

いま、人類学の本を読みあさっているところです。人間の知性の起源はなんだろ
うと。

人間は、何百万年にわたる狩猟と採集の生活をするうちに、器用なことができる
身体、各種の鋭敏な感覚センサー、分類や法則発見や推測やシミュレーションの
できる知性を発達させてきたことに、間違いはないと思います。

この知性を使って、いろんなことを工夫して生きているうちに、農業時代に入り
込みました。1万年くらい前のことです。

この農業時代は、人類の進化の上での袋小路だったと思います。人間の能力の一
面しか使っていないのです。

農業によって食料生産は増えて、人口は爆発的に増加しました。

ところが、人間はかえって農業労働にがんじがらめになります。農業は単調で忍
耐力のいる仕事が多いです。投入する時間と労力はたいへんなものです。狩猟採
集の時代の獲得した能力からすると、頭も使わないし、退屈です。
だもので自分で働かずに生産物を横取りする奴がたくさん現れる。階級によって
支配する連中もいますし、外部から侵略しては奪っていく連中もいます。土地の
確保が死活問題なので、戦争が起こります。

農業時代は、階級と戦争の時代でもあります。

そのうちに産業革命が起こりました。
はじめのうちは、農業をやっている延長で工場や事務所をやっています。人を単
純労働に縛り付けました。
だから、資本主義初期の悲惨な労働環境が現れました。

ところが、これがまた大変化を起こしつつあります。

ほんとうに身体的能力、感覚センサー、知性、直感を思いっきり使って生きられ
る時代がやってきています。
それに気がついた人たちが、新しい暮らし方を始めています。
芸術家、プログラマー、高級遊び人、などのように自分の感覚、知性一本で生き
抜く人たちの大群がすでに現れています。

これに対して教育は、システムとしては、まことに時代遅れな忍耐力と集団行動
を中心とした教育がメインになっています。
だもので、ついていけない子どもたちがたくさん現れています。

これからの時代、狩猟採集民型の教育が、いちばん将来性があると思います。
それは、簡単に言えば、楽しむ力です。
狩猟採集民として能力を伸ばすことは、楽しいようにできています。

遺伝的に身につけている人間の自己教育力は、狩猟採集型です。「これなんだろ
う」「どうしてそうなるの」「こうしたらどうなるだろう」を元に発展していく
のです。

人間が本来持っている、身の回りにあるものをなんでもよく観察して性質を見抜
き、状況に合わせて利用していく、足りないものがあったら工夫して作り出す、
うまくいかないことがあったら歌って踊っている。
その力を大事にしていれば、どのような時代であっても、どのような環境であっ
ても、子どもは力強く生きていけます。

 

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古山明男

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