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失敗してしまったときの気持ち

古山です。

いい天気だし、家の外装でペンキのはがれたところを補修してやろうと思い立ち
ました。ちょっと手を入れれば、ずいぶんときれいになるんです。

スプレーを片手にシュッシュッとやっていました。
小さなところをやるだけだから、汚れる心配もないだろうと、服は着替えません
でした。

気持ちよく一仕事終え、部屋に戻ってきて椅子に座って、ふと目を落とした
ら....
あ、あ、あ!?

ズボン数カ所に塗料がべったり。
「拭き取れるか?」と思ったけれど、だめだ、こりゃ。
もう乾いてる。アクリル皮膜が完成している。

スプレーが周りにかからないように持っていたボール紙に塗料がたまり、それが
ズボンに触れてしまったのでした。

外出用の、いいズボンです。

うっ、うっ。これで、あちこち出かけるつもりだったんだ。
ああやっちまった、しでかした、と気分がズブズブ落ちていきます。

 

ま、待て!
これは、チャンスではないか。
生きるエネルギーがなんであるか、落ち込みというのがなんであるか、それを知
りたくて生きています。それを知るチャンスです。

落ち込みの実物がここにある。
実物で研究しないと、わかりっこないのです。
立派な心理学の本やら、偉い人の言葉やらでなんとかなるものなら、不幸な人な
どいないはずです。

気分そのものはぜったいに言葉ではなくて、実在しているこの感じそのものです。

それを言葉に置き換えて、分かった気になったりしないぞ、ぜったいに。
この気分が、どうなっていくのか見届けてやることにしました。

落ち込んだ気分にかられると、こんなことを言いたくなるものです。

「あああ、なんてことを」

「もっと気をつければよかったのに」

もっと単純明快に「バアカ」

もう少し建設的に言えば

「服を着替えてからやればいいよね」

「もうこれからはこんな失敗はしないぞ」

「さっさと気持ちを切り替えたほうがいいよ」

そんなことを言っても、この落ち込んだ気分がどうなるものでもありません。そ
れは、承知しているけれども、やっぱり言ってみる。
だって言ってみたいものじゃないですか、こういう場合。

言ってみました。言ってもどうにもならなかった。

というあたりを、よおく確認。
すべての言葉は、結局はキーキー、ヒーヒーとうめいているだけなんです。

でも、子どもに、こういう言葉を投げかけるのを、やっちゃうんですよね。
一番多いのが

「もっと気をつければいいのに」

当たり前のことを言うな、っつーに。

「原因はなんだったの? どうしたらいいの?」

イヤらしいよね。考える力がないとでも思ってるのかい。

とかなんとか考えること3分くらい。

こういう考えの正体は、「お、やってる、やってる」と見抜けたと思うんだけど
ねえ。
でも、どうもこの落ち込んだ気分そのものは残っています。

気分そのものは身体に属しているもので、回復するのは身体の力を使っている感
じがします。考えとは違う次元で、独自の動きをしています。
きょうは、ちょっと疲れている感じで、回復力が弱い。
ほんとうに回復したのは、横になってちょっと昼寝してからでした。

昼寝してから、思わぬ副産物がありまして、気分がすっきりしている感じがしま
す。
失敗した気持ちでのたうち回る自分に、慈しみが届いたってことかな、と思って
います。

みなさまの中の、失敗して騒いでいるインナーチャイルドちゃんたちにも、届き
ますように。

 

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古山明男

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