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一人一人の色彩というかメロディーのようなもの

古山です。

どの子も、かわいくてたまらない、というトシになりました。

どの子も、見ているだけで、いいなあ、かわいいなあ、と感じます。

自分が子どものときは、こうではなかった。
あの子は暴力的だ、あの子はコス辛い、あの子は自己中心だ、ということが気に
なってしょうがないのです。「子どもはみんなかわいい」なんて、大人達のタテ
マエでしょうと思っていました。

子どもの世界を生き抜いているときには、そうなるのでしょうね。

でも、いまは、みんなかわいい。
そのせいか、子どもたちがよく寄ってきます。

特に、赤ちゃんたちのそばにいると、美しいものが流れているのを感じます。
かわいらしさ、というより美しさです。

それが、一人一人みんな違っています。
一人一人の色彩といいますか、メロディーのようなものがあります。

赤ちゃんは、天国からやってくるのだ、ということを当たり前のこととして実感
します。

生まれるときに、一人一人が神様から「これを歌うんだよ」とCDを一枚渡されて
いるようなものです。
それは、一人一人の「人を幸せにする歌」です。

この一人一人のメロディーのようなものが、その後、一生を通じて発展していき
ます。
そのお手伝いをするのが教育だと思います。

世の中で生きるための知識も必要です。技能も必要です。
でも、何かを達成させようと御褒美で釣ったり、罰で脅したりしているうちに、
子どもが自分の歌がなんであったかがわからなくなってしまったら、元も子もあ
りません。

全員一律の達成課題と評定、そんなものは少しでよい。なくてもよい。

「あなたの歌をうたいなさい、あなたの踊りをおどりなさい、あなたの研究をし
なさい、あなたの友達を作りなさい、あなたの家を建てなさい」
そのように支援していると、その子は、その子自身になっていきます。

その子が自分のメロディーと切り離されていないか、そこだけが重要で、学校に
行っているかいないかは、たいした問題ではないように思います。

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古山明夫

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