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先生の戦略 認められることの飢餓状態

古山です

学校は、かなり無理なことをやろうとしている。だから、子どもたちに無理させ
るための、いろんな戦略が発達している。それが、大きな弊害をもたらしている。
そのように思っています。

現在の文科省指導要領に基づく体系は、教育学的な深い裏付けがありません。
「このくらいの年齢なら、このくらいのことを教えてもいいだろう」という経験
則だけで作られています。大学の先生や、世の中で成功した人たちの意見をたく
さん聞きます。でも、子どもと実際にかかわっている中から生まれてきているも
のではないのです。子どもはどのように育つのか、の研究が不足しています。

その地域に住んでいる同年齢の子ども法律の力で全員集め、教室に閉じ込め、達
成度を評定するというやり方は、かなり強引です。

だから、子どもがなかなか学んでくれない。そこで、学校も親も、子どもにいか
にやらせるかばかり研究しています。しかし学校のカリキュラムは疑われない。
何を何時間教えるということが法律で決まっているし、学校はお役所が運営して
いるところだからです。

子どもにいかにやらせるかの戦略の中で、学校で大規模に行われ、効果も大きい
ものがあります。それは、子どもを、認めてもらうことの飢餓状態におくことで
す。そして、子どもたちが、認めてもらいたい一心でなんでもするように仕向け
ることです。こういう戦略は、人間なら本能的にやれるものです。教育免許を持
っている人たちでもやります。

そうすると、子どもたちは賞罰に敏感になり、先生のいうことをよく聞くように
なります。

ところが、これが、劣等感、優越感、無気力、固定観念、嫉妬、いじめ、など、
あらゆる自己破壊的な心理や行動の温床になっているのです。教室で起こってい
ることを裏から見てごらんなさい。子どもたちが、どれほど退屈し、恐れ、自分
で考えなくなっているか。でも、先生がいなくなったとたんに、子どもたちの態
度がどれほど変わるか。

ホームスクールは、その逆から行きます。まず、子どもたちを無条件で認め、安
心させることに、力を注ぎます。その基盤ができると、すべてはたやすいのです。
人間は、自分が認められている、愛されている、と感じると、すごい力を出して
くるものなのです。

学校には長所がたくさんあります。でも、この「認められるためになんでもす
る」ように仕向けることで、人間発達のためのもっとも大事な基盤を自ら掘り崩
してしまっています。

家庭は、足りないものだらけです。でも、「安心が得られる」ということでは、
たいへん優れた場です。

子どもがよく認められていると、こんなことがよく起こるようになります。

子どもがなにかをシコシコとやっている。親も同じ部屋でなにかをしている。静
かな時間が流れ、まるで永遠がそこに現れたようになる。べつに言葉を交わすわ
けでもない、でもその時間と場は、お互いに共有している。

子どもと何かをやっているうちにノリノリになってしまい、「こうしたらどう
だ」「ああしたらどうだろう」といろんなことをやってみる。どちらがリードし
ているのかわからない状態。

以心伝心が多くなる。同じことを考えていて、口を開くと異口同音になっている。
いつのまにか同じ歌を口ずさんでいる。

「あれ、またやろう」でできていく、その家庭ごとの行事みたいなもの。

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古山明夫

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