古山です。
さまざまな遊びの中にも、定番と言えるようなものがあります。
その一つが木登り。
先日の東京でのお遊び会でも、昨日の科学遊びの会でも、木登りがはやりました。
木登りは、すごい全身運動です。どうやって登るかの戦略と判断力、バランス感
覚、筋力、動きを組み合わせる巧緻さ、みんな必要です。
型にはまった能力ではなく、その木ごとの形状、性質を見抜かなければなりませ
ん。だから、おもしろいのです。
木登りには、高い倫理性があります。木に登る目的? そこに木があるからだ。
人間が高みに登ろうとすることに、理由などつけられるものか。
そして、上に登ったときの、視野の広がり。たまらないですね。
木に登るときは、いつも危険と隣り合わせになります。「怖い」という思いと自
分の中でどう付き合うか。その子なりの答えを出す必要が生じるのです。
この「怖さとつきあえる」ということ、生きていく上で、ものすごく重要なので
す。怖さを無視しない、なおかつ怖さに圧倒されない、その両方の中でバランス
を取ること。これはとても大事な、生きることの知恵です。
木登りそのものが、生きることの予行演習になっているのです。
教育とは、「木登りして落ちても叱られない」という場を作り出すことだと思い
ます。
木登りしやすい木は、シイの木です。シイの木は低いところから枝分かれがあっ
て、登りやすいのです。公園にあるシイの木は、スダジイかマテバシイです。ど
ちらもドングリがなります。
千葉公園にシイの木がたくさんあります。あらかじめ調べて難易度のA,B,C
みたいなのをつけた地図を用意し、木登り会みたいなのをやろうかなと思います。
あと、木登り名人の大人がいるといいのですが。
難しい木に、見事に手をかけ、足をかけ、スルスルッと登っていく人がいる。そ
れを見ているだけで、大事なことが伝わるのです。
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古山明男