古山です。
自分の考えをまとめ、発表する力は、練習によってつけることができると思われ
ています.私は、そうではないと思います。
「こういうふうに突っ込まれるんじゃないか」、「こういう反論を食うのではな
いか」という警戒心が、考えの形成を妨げているのです。
威圧的な感じのする人、話をきいてくれそうにない人の前でしどろもどろしてし
まうことは、誰でも経験していると思います。
私もそうです。これはすんなりとは聞いてもらえそうにないと思うと「ええ、か
くかく事情がこうなっておりまして、みなさまはこうお考えかもしれません
が....」などと一生懸命に前置きしているうちに、相手に「そんなことあり
ませんよ」と一言いわれて、あとはしっちゃかめっちゃか、なんてことよくあり
ます。
子どもだったり、気の弱い人だったりすると、言葉そのものが出なくなってしま
います。
考えることすらできなくなります。
そこを「いいから、はっきりいってごらんなさい」なんて言われると、ますます
混乱してしまう。
かなり力がついた段階では、訓練的なことも役に立ちます。
でも、子どもは訓練しようとしていると察しただけで、身構えます。とくに家庭
の中ではそうです。
それより、いっしょに楽しいことをやっているのが一番です。
不登校の子供の援助を長年やっていまして、はじめはカウンセリング的なことを
中心にしていたのですが、それより一緒に遊んだほうがはるかにいいということ
に気がつきました。
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古山明男