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やる自分とやらされる自分

古山です。

現在の学校教育の最大の問題点は、人間を「やらせる自分」と「やらさせる自
分」に分裂させてしまうことだと思います。これは、いつも葛藤を抱えた状態で
生きることです。

この分裂をかかえていると、「プレッシャーがかからないとやらない」、「人に
言われないとやらない」のが普通の状態になります。
ほんとうの充足感というものがなく、自発的なものが細くなります。

この分裂があると「あるべき自分」がいつもあり、それと表裏一体の関係で「克
服すべき自分」があります。いつも、自分や他人に「ダメなやつ」を見つけてい
ないと生きていけなくなります。

「頭ではわかっているのだけれど...」
これは、頭にしか働きかけない教育を、さんざん受けさせられたためです。
身体、感覚、感情とどう調和させるかは、教育されなかった。というより、むし
ろ調和を壊す教育が行われています。

つまらないことを無理してやらせるのが恒常化すると、人間の大事なところが壊
れます。正邪善悪、苦痛と喜びがわからなくなってしまうのです。

私自身、大学生のときに、「やらせる自分」と「やらされる自分」の分裂で身動
きがとれなくなりました。明らかに受験勉強のせいでした。なんとか、心のまま
に生きることができるようになりたいと思いました。

それから、40年以上かかりました。さいきん、やっとなんとかなったように思い
ます。
急に悟ったとか、天使が現れたとか、そういうことはありませんでした。一つ一
つの感覚や感情を、一つ一つ確かめ、これは本来どういうものであるかと生き抜
いていく。一つの感覚と調和するのが終わると、また次の未知のものが現れてく
る、それと付き合う。果てがないようだけど、見極めがつくと、澄んだ感じがや
ってきますし、「愛」としかいいようのないものが流れ込んできます。

でも、これは、子どもが成長するプロセスそのものではありませんか。毎日が、
自分の感覚と感情を生き抜くという仕事なのです。目の前に自転車が現れては、
その自転車が「乗れるかい」と差し招くのです。あるいは「この恐怖をどう生き
抜く?」と問いかけられるのです。

こどもだけではなく、大人でも同じです。
生きることは学ぶことです。

私たちは、あまりよろしくない教育を受けていて、「頭ではわかっているのだけ
れど...」になるのが普通です。
そこから、愛と喜びで生きられるようになるため、多くの道が編み出されていま
す。どの道も、それなりにハードです。
でも、誰にでもできる容易な道があります。それは、子どもと深く関わって生き
ることです。もちろん、子どもを理解するのは簡単なことではありません。でも
何よりも、子どもは親のことが大好きなのです。かまってほしいし、理解してほ
しいし、愛を投げかけてきます。それに愛で応えるというのは、自然にできるこ
とです。この愛のキャッチボールの中で生きていると、いろんなものが、その本
来の姿を現してきます。

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古山明夫

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