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無題 

子どもが自分からいろんなことを学ぶようにするのに、これが一番大事なことだ、
と私が考えることがあります。
それは、子どもといっしょにいるときに、「あれ、きれいだねえ」、「これ、お
もしろいよ」、「これ、すごいね」というような感じたら、それを口に出して表
現することです。

これは、自分がほんとうに感じたことをその場で言うことに意味があります。雨
上がりの空がきれいだった。ちょっと買った新製品に工夫があることに感心した。
テレビに出ている芸人さんにいい味があった。そんなことを、黙っていないで口
にするのです。

これが、本を読んで成功談があったからその真似をしてみたとか、自分が人生で
これが大事だと思うからそれを伝えようとするとか、そういうのではだめです。
意図した作り物は、伝わる可能性が低いです。

「何かいいことないか」で生きているのは、大人も子どもも同じです。われわれ
だって、いろんなコマーシャルや、お説教は「ふん、どうせ...」と思ってや
り過ごしているのですが、誰かが「これよかったあ」と本気で言っていると、
「自分も」という気になります。

甥とホームスクールをしていました。
「おじちゃん、どういうことが好き?」
「おじちゃん、何がおもしろい?」
ということを尋ねてきました。参考にしたがるのです。
わたしのほうも、「このマンガ、おもしろかった」
「この機械、よくできてるねえ」
というようなことを口にしていました。

私のほかに、私の主宰するフリースクールに来ている、遊び上手のやつがいまし
た。甥は、そいつを兄貴分みたいにして後にくっついて遊んでいました。

そういう関係ができていたから、特に教え込まなくても、かってにやりたいこと
を見つける。だから安心して見ていられる、という流れができていました。

カンガルーの赤ちゃんが生まれるところをテレビでみたことがありますが、指先
くらいの大きさで生まれてきた赤ちゃんが、母親のお腹の袋のところまでよじ登
っていきます。そのとき、母親が自分のお腹をなめて、赤ちゃんにここを通るの
だと、道を作っています。

それとよく似ています。
ここに美しいものがある、ここに立派なものがある、と言っていると、子どもが
そこを通ってくるのです。

古山明男

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古山明夫

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